美味しいもの、ココロ、カラダ。なんでも優しく包み込むおやき。「おやきとおやつのkinomi」木下早織さん

早織さんは、忙しいお母さん達、特にかつての自分のように頑張るワーキングマザーの助けになりたいと“おやきとおやつのkinomi”として体に優しい素材を使った手作りのおやき・おやつの販売を行っています。

おやきを作り始めたきっかけは、食の細い娘のため。

長野に友人が多い早織さんにとって、おやきは身近な存在。
おまんじゅうのような可愛い見た目で栄養満点。これなら娘も食べてくれるのではないかと思いつき、試行錯誤を重ねていきました。

おやきの皮は小麦粉と米粉をブレンドしているのでごはんと同じ炭水化物。中に色々な具を包むことが出来るので、お肉などのたんぱく質のおかずや、野菜のおかずなど、上手に選べばバランスよく食べることができます。

手で持ちやすいので子供でも食べやすく、冷凍保存もできます。
お腹が空いたとぐずる子供に、さっと買い置きの栄養満点手作りおやきを出してあげられたら、仕事でへとへとのお母さんはどんなにほっとするでしょうか。
子供には体にいいものを食べさせたい。そう思う人は多いはずです。
だけど、気にしすぎるお母さんはなんだかしんどそう。


お母さんのしんどさは子供にも伝わります。家族のためにとつい頑張りすぎてしまう時もあるかもしれませんが、家族とちゃんと向き合うためには、気を楽にして、お母さん自身が元気であることも大切。
忙しくて料理に手を掛けられない時は、丁寧に作られたものを子供に選ぶことだって愛情です。早織さんのおやきは疲れたお母さんのゆる食育の味方です。

「美味しい」という言葉が何より嬉しいという早織さん。
以前から趣味でお菓子などを作って人にあげていました。しかしそれだとお返しで逆に気を使わせてしまうので、いっそのこと販売をして、気兼ねなく人に喜んでもらえる美味しいものを届けたいと考えるようになりました。


後押しをしたのは島田駅前のコーヒースタンドL,cat coffeeの店主奈保美さん。コーヒースタンドのイベントとしておやきを販売してみたところから、一気にkinomiの活動が加速しました。
お母さん達から「子供が美味しいと食べてくれた!」という話を聞くことがモチベーションにつながっています。

早織さんは一時期ストレスから食べることができなくなり、苦しんだことがあります。
そんな辛い中でも、良い素材を使って丁寧に作られた食べものはスッと体に入っていきました。この時の経験から、美味しいを一番大切にして、ストイックすぎないゆるやかさを保ちつつ、食材はできる限り体に優しいものを選んでいます。

ひとりでやるというkinomiの活動の形が自分に合っていると早織さんは感じています。責任はすべて自分の肩に掛かってきますが、その分真剣にお客さんと向き合うことができます。そして、ひとりでやっているからこそ、家族や、出店しないかと声を掛けてくれる仲間、応援してくれる人たちの支えは大きな力になっています。

小さな子供はよく体調を崩しがちです。働く女性が多くなったといっても、会社勤めだとまだまだ休みが取り辛いのが現状。今の働き方なら、必要な時はすぐに子供のもとに駆け付けることができます。


早織さんは、以前は転職を繰り返して来た自分に引け目を感じていました。
けれど今、経理やデザイン、編集…多様な経験はすべてkinomiの活動に役立っています。幾つもの仕事を経験したからこそ出来るようになったことがある。すべては必要なことだったのだと思えるのです。

早織さんは祖父母が住んでいた家を改装して工房を構えています。
小さい頃は親戚が集まってにぎやかだった家は、今は訪れる人も少なくなり、広大な畑も、全て手入れが届かず、一部は耕作放棄地と化してしまいました。

いずれ祖父母の家をたくさん人が集まるにぎやかな工房兼店舗としてよみがえらせたい。

そんな夢を抱きながら、今は少しずつ畑で野菜を育てておやきに使用しています。

あなたの大切な人達のためにも、まずあなた自身が元気でいること。
そのために、時にはすべてを完璧にしようとせず、肩の力を抜きながら、バランスをとって自分らしく過ごすを心がけてみるのもいいかもしれません。
そして、ちょっとがんばりすぎてしんどい時は、心も体も優しく包んでくれるkinomiのおやき・おやつでほっと一息ついてみませんか?

kinomiさんのHPはこちら!

Kinomi からだにやさしい、おやきとおやつ。 (kinomi-life.jp)


【編集後記】
早織さんは、自分にとって大切なものは何だろうとじっくり考えた時期があったと言います。そういう時間を取るって大事だなと思います。自分のことだから誰よりもわかっているつもりでいて、実はそれって周りから与えられた価値観だったりする時があります。社会人になりたての自分がそうでした。一般的に考えたらこれが良い事だ。そんな外からの大きな声に阻まれて、自分の心の声が聞こえていない、自分の大切にしたいことが分からない状態だと、すぐに揺らいで、苦しくなります。かといって、自分の心の声を聴くのも、最初はしんどかったりします。早織さんのように自分と向き合って、進む道を決めた人の姿は、そうやって自分の声を聴こうとする人達の励みになると感じました。私も、自分の大切を決めたのだから、しっかり一歩一歩進んで行こうと改めて思いました。

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